敷地は地方都市の中心部から離れたバス通り沿い。東西方向からやや振れた角度で細長く3つに分割された土地のうち、中央の区画で、両隣はいまのところ空地である。当然ながらこの空地には将来にわたり建物が建つ可能性がある。細長い土地の形状から考慮すると、特に南側隣地に建物が建った場合の採光や建物間の距離が懸念された。
この不安を解消すべく様々な配置を検討した。最終的に道路側に3台分の駐車場を設け、残りの敷地に間口いっぱいのボリュームを配置し、将来にわたって南からの採光を担保するため、真南に開口が対するよう2段階でカットした。敷地の角度に沿ったプランに対して異なる角度でボリュームが切られることで、この住宅の中心として位置付けられる吹抜けに動きが生まれた。俯瞰的な視点で行った操作が、アイレベルでは意図不明な形態に収斂したようにも思える。
この吹抜けを介して他の全ての室やテラスが様々に関係し合うことで、どこにいても住まいの中心を感じられる。コンパクトな住宅の中にも距離感を持たせるよう、2階の書斎へは外部であるテラスを経由してのみアクセス出来、離れ的な感覚を持たせた。

 

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